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「…おもしろいですね。ちょっと興味湧きました」
湧かなくていいよ。
そんなことより帯緩めたい。
「提案なんですけど」
「……な、によ……」
フラフラする。
意識がモーローとしてきた。
返事をしたのかすらわかんない。
「僕と賭けしましょう」
「………は?」
ヤツがどんな表情してるのか、気にする余裕はなく。
頭、というか脳はいっさい理解する力を失っており、ヤツの言葉の意味がいっさいわからない。
「今日から半年で、どちらが先にスキになるか、賭けましょう。僕は半年の間であなたをスキにならせてみせます」
「な、によ……ソレ……」
そこであたしは限界だった。
帯に苦しめられ、叫んで脳に酸素が行き渡らず、さらには炎天下の中庭。
全てが今のあたしには悪条件だったようで。
ヤツの胸にもたれるようにして倒れた、らしい。
……あ~あ、今日は厄日だったね。
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