living.1

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「…おもしろいですね。ちょっと興味湧きました」 湧かなくていいよ。 そんなことより帯緩めたい。 「提案なんですけど」 「……な、によ……」 フラフラする。 意識がモーローとしてきた。 返事をしたのかすらわかんない。 「僕と賭けしましょう」 「………は?」 ヤツがどんな表情してるのか、気にする余裕はなく。 頭、というか脳はいっさい理解する力を失っており、ヤツの言葉の意味がいっさいわからない。 「今日から半年で、どちらが先にスキになるか、賭けましょう。僕は半年の間であなたをスキにならせてみせます」 「な、によ……ソレ……」 そこであたしは限界だった。 帯に苦しめられ、叫んで脳に酸素が行き渡らず、さらには炎天下の中庭。 全てが今のあたしには悪条件だったようで。 ヤツの胸にもたれるようにして倒れた、らしい。 ……あ~あ、今日は厄日だったね。
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