living.8

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「あ、りがとう、ございます…」 「で?何しに来たの?」 その質問はまだニコニコしている七夕さんに言っていて。 意外とカラカラになっていた喉を潤すのに、半分ほどいっきに飲んでしまった。 「これから検診なの~。その前にちょっと寄ってみた」 「ふ~ん、そう」 この間も思ったけど、あげはさんって誰に対してもこんな感じなんだな。 何に対しても冷めてるような、感情は見せるけどホンキじゃない。 七夕さんは気にもしてないようだから、昔からなのだろうか? まぁ、ホンキじゃないにしても、その無言の睨みは怖いからやめてください。 「……で?」 矛先が俺になったみたいデス。 月海さんには言ってるんだからバレてもいいんだろうけども。 「尾行?」 何も言わず苦笑いだけを浮かべていれば、目を細めて言ってくる。 このニ日だけで、怖い方向のあげはさんだけを知っていってる気が。 そんなの知らなくていいのに。 「あげはちゃん、知ってるの?」 まだまだ先は長い、知っていればこの先手は打てる、ハズ? 「そういえばあげはちゃん、テレビ見るヒトじゃないのになんで?」 ……ん? このヒト、男のヒト、だよね? ナリはそうだけど、仕草と口調が…? 世の中、気づかないだけでこんな近くにいるもんなんだ。
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