1066人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、りがとう、ございます…」
「で?何しに来たの?」
その質問はまだニコニコしている七夕さんに言っていて。
意外とカラカラになっていた喉を潤すのに、半分ほどいっきに飲んでしまった。
「これから検診なの~。その前にちょっと寄ってみた」
「ふ~ん、そう」
この間も思ったけど、あげはさんって誰に対してもこんな感じなんだな。
何に対しても冷めてるような、感情は見せるけどホンキじゃない。
七夕さんは気にもしてないようだから、昔からなのだろうか?
まぁ、ホンキじゃないにしても、その無言の睨みは怖いからやめてください。
「……で?」
矛先が俺になったみたいデス。
月海さんには言ってるんだからバレてもいいんだろうけども。
「尾行?」
何も言わず苦笑いだけを浮かべていれば、目を細めて言ってくる。
このニ日だけで、怖い方向のあげはさんだけを知っていってる気が。
そんなの知らなくていいのに。
「あげはちゃん、知ってるの?」
まだまだ先は長い、知っていればこの先手は打てる、ハズ?
「そういえばあげはちゃん、テレビ見るヒトじゃないのになんで?」
……ん?
このヒト、男のヒト、だよね?
ナリはそうだけど、仕草と口調が…?
世の中、気づかないだけでこんな近くにいるもんなんだ。
最初のコメントを投稿しよう!