living.9

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「これは俺が勝手にやってること」 だから、気にするな、と。 でもね、そんなこと聞いちゃったら気になるわけですよ。 そこんとこわかってんのかしらね? ぜったいわかってないんだろうな。 「……勝手にしてくれて構わないから、いちいち謝らないで」 帰れないからって謝られても、こっちが逆に気を遣うだけよ。 あたし別に、毎日帰って来てなんて言わないもの。 一人の時間かなりスキだし。 「めんどくさくなってる?」 「よくわかってるじゃない」 ウソを言ったところで得にもならないから肯定して、ごちそうさまと手を合わせる。 雷が食べるの早いんだもの、結局一人で食べてる感じだわ。 あ、でも、こういう時間はスキかも。 食べ終わっても席を立たず、こっちが食べ終わるのを待っててくれる。 これは無意識の優しさかしら。 「あげはさんって、ホントなんでもめんどくさがるね」 「たまに生きてることもめんどくさくなるわよ」 「えぇ?それってヤバくない?」 優しく、でも楽しそうに笑ってくれるから、こんなことも笑いながら言える。 「ヤバいかもね」 今は…大丈夫、だから。 「今日は俺が洗う」 食器を片づけていれば、一生聞くことはないだろうと思ってた言葉が耳に届く。 「え、いいよ、ゆっくりしてて」 「俺が洗うんです~」 食器を奪われるなんて初めての経験。
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