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さっきの話の影響か何かだろうか。
あたしにめんどくさいことをさせない気?
別にめんどくても、必要なことならするんだけど、ね?
「明日からいないから親孝行ならぬ、あげはさん孝行?」
「変な言葉作らないで」
でもまぁ、してくれると言うのならやってもらおう。
キッチン、あたしの城ってわけでもないし。
そんなこだわりもないしね。
「じゃあ、お風呂洗ってくる」
「あげはさん」
手持ちぶさたでお風呂に行こうとすれば、キッチンから手招きされる。
やっぱりやめた、とか?
「なに?やっぱり変わる?」
「ヤ、すぐ終わる。じゃなくて、あげはさんは今日はゆっくりするんです」
「するんですって、なんで?」
確かにニ人分なんてすぐに洗い終わるけど。
え?どゆこと?
不思議に思って首を傾げていれば、にっこりと笑顔を見せてくる。
「あげはさんが毎日してること、今日は俺がするから」
「…まぁ、どういう心境の変化?」
言っちゃなんだけど家のことなんて、たとえ何があろうとしないヒトだと思ってた。
「…あのさ、俺だってやる時はやるんだよ?必要に応じて」
「あぁ、そういえば一緒に住む前は一人で暮らしてたんだったね」
話してる間に洗い物は終わって、目の前で子供みたいな笑顔。
いつもオトしてやる、みたいな不敵な笑みを見てたからなんだか新鮮。
役者だし?いろんな表情できなきゃダメよね。
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