living.9

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「お風呂も俺が洗うから、あげはさんは座ってて」 「じゃあ…お願いします」 こんな日は二度と来ないかもしれないから、今日はお言葉に甘えておくことにしとく。 ソファーに座って普段見ることのないテレビをつけてみるけれど、やっぱりというかなんだか落ち着かない。 実家にいた頃は部屋からあまり出ることはなかったけども。 今の全て自分がやる生活スタイルにだいぶ慣れてきてたから、こういう時どうすればいいかわかんない。 何か他にすることはないかと探してしまう。 結局、テレビなんか見てなくて、ヒマを持て余すあまり雷のいるお風呂場へ。 ドアは開いていて中に入ると、鼻歌なんか歌っちゃって楽しそうですこと。 「あれ?どした?」 湯船を泡だらけにして、しかもその泡を身体中につけて。 テレビの五十嵐雷はどこへやら。 「楽しい?」 クスクスと笑いながら聞けば、無邪気に笑ってうなずく。 今の雷はどこをどう見ても、頼まれたお手伝いを一生懸命する子供みたいで。 見てるこっちまで笑顔になる、そんな笑顔。 「あげはさん、俺何かに目覚めそうな気がする!」 「お風呂掃除で何に目覚めるの」 「なんか生きがいって言うの?感じてる気がする!」 スポンジをギュウっと握りしめ目を輝かせてるけど、ソレに生きがいを感じても… しかも握りしめたりするから、無事だったところまで泡だらけにしちゃって。
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