living.9

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「気がするだけでしょ。まぁ、すっごい楽しそうだけどさ」 「なんか、楽しい!」 ……なんか、なんだ。 「でもソレ、毎日してると生きがいも何も感じなくなるわよ。めったにしないことだからそう思うだけで」 「あげはさん」 脱衣所のマットの上に座ってるあたしの前に、わざわざ移動してきて同じように座る。 もう完全に濡れちゃって。 「俺がいる時、これからは俺が風呂掃除やる」 「え、それって真剣な顔して言うこと?」 真面目な顔して何を言うのかと思えば。 どんだけコレにハマったの? え?そんなに楽しいことだったっけ? 「できることは他人任せにするな、っていうのをちっちゃい時から母親に叩き込まれてるから」 「今までやらなかったのは?」 そう言われてすぐにつっこめば、苦笑いを浮かべて立ち上がる。 「そこは、ソレ、ホラ、あげはさんのしてること取っちゃダメかな、と」 「イヤ、別に取られたとか思わないけど」 きっと、ソレだって雷の見えない優しさからくるものなんだろう。 そうだと思うと自然と笑みがこぼれて。 「雷、ありがと」 「……どう、いたしまして……」 「あれ?顔が赤いよ?のぼせた?」 「イヤ、うん…まぁ、うん」 歯切れの悪い返事に首を傾げた。
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