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見るなとばかりにソッポを向くから覗き込めば、なんでテレてるんでしょうか?
あたし、雷がテレるようなこと言ったっけ?
「俺このまま風呂入る」
「そうね?泡だらけだしね?」
はぐらかされたっぽいけど、まぁ、そっとしとこう。
言いたいことは言ってくるだろうし。
めんどくさいからいちいち聞かない。
「ゆっくり入るとのぼせるから気をつけなさいね」
「なんで?」
「お湯で掃除してるじゃない、そのまま入るとのぼせないとは言い切れない」
なるほどと納得する雷を見て、お風呂から出た。
リビングに戻れば雷がテーブルの上に置きっぱなしにしていたマンガが目に入る。
なんとなく手に取って、甘々な恋愛マンガをパラパラとめくっているウチに没頭していた。
「……リビングにいないと思ったらマンガ部屋にいるし」
「あれ?もう出たの?」
「そりゃ、注意を受けましたから」
時間にすればたぶん二十分くらい。
早く出てきた雷はタオルで頭を大雑把にガシガシ拭きながらあたしの後ろに座る。
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