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「乾かさないの?」
「自然乾燥」
「ふ~ん」
まぁ、夏だし風邪ひくこともないけど。
読みかけだったらしいさっきのマンガを見つけて読み始める。
「ちょっと」
「ん~?」
早くも没頭している雷は、あたしの背にもたれていることに気づいているのだろうか。
これも無意識?
イヤ、きっとこれは意識的にしてるハズ。
そんな気がしてあたしも体重を預けた。
あ、コレ結構ラクかも。
こんな風に過ごす時間は穏やかで、非日常的なことだってことを忘れてしまう。
限られた時間だから楽しく過ごすことができるわけで。
期間限定じゃなければ、こんなに楽しく穏やかに過ごせるはずがない。
ただ、そう思ってるのはあたしだけ。
何か心境の変化があったらしい雷のことは、わからない。
今の心境を教えて、なんて聞いたところでのらりくらりとはぐらかされるに決まってる。
聞いて、あたしの中の何かが変わるわけでもないし。
…そうね、あたしはただ、雷が過ごしやすいような環境を作るだけ。
今はそれだけでいい、気がする。
余計なことは、まだ…何も…
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