《第1章・おもちゃ》

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『隣に?舞の事?たしかにアイカツファンだけどストーリーにアドバイスなんて柄じゃない』 『違う違う、恋愛対象として見てるならキスシーン描写の…ー』 『聡?』 『克哉気付いてる?あの娘と関わるようになってから変わった自覚はないんだ?トラウマから【女は嫌だから】って親身になって聞いてた僕に好意を寄せてくれてからの付き合いだけど。長谷川さんが引っ越してきてから克哉楽しそうに見てる事に自覚…ー』 ごろ寝していた相川はむくっと起き中谷を凝視した。『ストーリーのやり直しからなんで俺…ううん、あたしの恋愛観の話になるのか…舞は関係ない』 『ここんとこ克哉、俺とかあたしとか両方交互に言ってる事に気付いてる? 長谷川さんに対して男でありたいから俺なんだよね?…まぁまぁ顔色変えないでさ』 『聡素っ気ない、何故急に素っ気なくなった? そして何故舞の事を薦めてくる?たしかに舞はおもしろいおもちゃだけど、あたしが舞の事を恋愛対象としているとか関係ない』 『おもしろいおもちゃ?そんな感情をストーリーに活かせば良いと思うけどね。《恋わずらい》をおもしろくするには必要でしょ』 中谷は突然クスッと笑い、相川が怪訝な表情で見ていた。 『何を笑ってる?』 『たしかにおもしろい娘だなって』 『誰が?舞?』 『わかってるなら聞かない聞かない(笑)』 『聡?何か隠してる?』 カバンに書類を入れ立ちあがる中谷は相川を見て気の毒そうに苦笑した。 『言えない』 『はっ?』 『克哉聞かない方が良い』『何を?』 『だから、長谷川さんがすべてのアイカツ本を売ろうとしてた事なんか』
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