第1話 二人の眼鏡

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第1話 二人の眼鏡

見慣れたようで久しぶりの青空から、飛行機がすらりと顔を覗かせた。 末松「おお!ここがフランスかぁ」 髭の生えたのっぽの男は地に足を付くと同時にはにかみながらそういった。 夕樹「うぅ…、なんだか緊張してきたかも」 つぶやきながら金髪の少年はのっぽの男の左斜め後ろにゆっくりと姿を見せた。 対の気持ちを持ち、二人は共に森へと足を運んだ。 夕樹「えーと…どうやらこの奥のようですが…」 末松「おわぁ、まっすぐ行けば付くって聞いてたが、これは深そうだなぁ」 夕樹「あ、えと…そそうだ!タクシー呼ん で道のあるとこからいきま…」 末松「よし!いくぞ!」 夕樹「え!?ままさか、歩いていくんじゃ…」 末松「当たり前だ!少年もワクワクするだろう?いくぞ!」 夕樹「…そ、そんなぁ」 そうして何かを目的とする二人は長い道のりをわざわざ歩いていくことにしたのであった。   歩き始めて30分くらいがたったころ、金髪の少年は膝に手を当て息を荒げている。 夕樹「ぜぇ…はぁ…、まだ、なんですっか?」 末松「なんだ?少年。もうばてたのか?しょうがないなぁ」 夕樹「す、すみません…。やはりタクシー、を…」 末松「うーん、あと半分ってとこか?」 夕樹「あ、あの…?」 末松「よーし、時間もないし先行ってるぞ? なんならタクシーでくればいい…じゃ!」 夕樹「え!?ちょちょっと!?…よく考えたらこんな森の真ん中で待っててもタクシー来れないよなぁ…。 ま、待ってくださーいっ!!」 こうして、場所に似合わずの眼鏡を掛けた二人はだんだんと奥へ進んで行ったのだった。image=502996010.jpg
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