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第2話 はじまりの道場破り?
──歩き始めて一時間程がたった頃。目の前に大きな門が現れた。
末松「…どうやらここのようだな」
夕樹「そのようですね。えーと、インターホンは…」
金髪の方はキョロキョロとインターホンを探し始めた。
それに気づかない髭の方は大きく息を吸った。
末松「すぅ…っ!」
夕樹「?」
末松「たのもーーーーうっ!!!」
夕樹「!?」
突拍子もなく張り上げられた野太く荒々しい声はまるで挑戦状を叩きつけてきた道場破りのようである。
さらにフランスにそぐわぬ使い慣れた日本語で。
夕樹「な、なんなんですか!?いきなり…」
末松「あー…、開くと思ったんだけどなぁ、ははははははは!!」
夕樹「…ここは道場じゃないんですからね?…あ、あった!すみませんが僕に任せてください!」
末松「お、おう!悪ぃな」
金髪の方は悠長にフランス語でインターホンにはなす。
すると、大きな門が動きはじめた。それを確認した二人は中へと入っていく。
末松「いやぁすまんすまん!俺どうも語学に弱くてなぁ、英語もぼちぼちって感じで」
夕樹「大丈夫ですよ、僕は通訳もかねて呼ばれてますから」
末松「ほぉ!それは期待できるな」
そうこう話している間に、お城のドアを目前としていた。
すっとドアが開き、出て来たのは60~70代くらいのご年配がスーツ姿で出迎えてくれた。
レルファ「〈フ〉よく来たな…と、言いたいところだが五分の遅刻だ。まったく、ああまあそれはいいとして、主を紹介せねば話しにならん。さっさと付いてこい。歩きながら説明する」
※〈フ〉←はフランス語で話しているときのマーク
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