其之四 禁断の扉

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急に真剣な眼差しを私に向けてくる、それは既に答えが出て居るから…先輩は私と言う存在に興味を抱いていた様だ 「もう、初めて顔を合わせた時から香山さんの事は気になっていたわ、何時も他の子に隠れて出てこないし口も聞かない…しかも、その目は何かを求めて居る様な目…そんな子、私が気にならないはずないじゃない、だから、2人きりになれるタイミングを探してたら今、それが生まれた訳よ、これは話さない手はないじゃない…」 「あ…っ!」 言われて気付いた、先輩の言う様に私はこの人に興味があって側にいた、でも、取り囲む先輩達を前にそれを言葉にして伝える事が出来なくて今日のこのタイミングを心待ちにした。 そっか… 私…自分ではノーマルノーマルと言ってた筈なのにこの先輩に既に惹かれていて…なーんだ、私、別にノーマルじゃないじゃん。 その瞬間、私の中で何かが弾けた。 「どーかした?」 「あ…何か自分が矛盾してるな…って」 「矛盾?」 「はい、私…どーやら普通ではない様です」 「ほほう…」 「気付いたんですよ、私、言ってる事とやってる事がバラバラって、口ではノーマルとか言っといて先輩から離れない自分を鑑みたら私、普通じゃないなーって」 「ふぅん…じゃあ今なら私の言葉も聞き入れてくれるのかしら?」 スーッと先輩の手が私の手を掴む…内面ドキドキしながらも何処か何かを期待する様にそれを受け入れる私…百合ではないけど、私は先輩ならと勝手に思い次の言葉を待つ 「ありきたりだけど…多分貴女の事は好きなんだろうと思う、百合ではないけどなんだか香山さんを離したくない…そんな事を考えてる」 「何か中途半端ですよ…先輩」 「そう?」 「ハッキリと言って下さい」 「そ、そう?…なら言うわ…私は貴女の事が好きよこの手を離したくないわ!」 「はい…先輩」 夕日が差し込む窓際、何故かこんなシュチュエーションになるとお互いが求めてしまいがちなもの…キス。 私と先輩は誰もいないその場所で見つめ合い…初めての一歩になるかも知れないけど、唇を重ねた。 不思議なもので、何かが触れ合うと愛しさが湧いてくる
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