其之四 禁断の扉

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恋愛は男女でする事。 それは、今も昔も変わらない定番で私、香山香澄(かやまかすみ)も恋をするなら絶対に男の子…そう考えて居た。 そんな思いを揺るがしたのは私の先輩にして女学院では王子様の様な魅力を醸し出す村主澪(すぐりみお)先輩だった…成績優秀、運動神経抜群、そしてその社交性の高さに優しさと気品。 私は今までそんな完璧な人に出会った事がなく、彼女に会う度その尽きない魅力に惹かれて行った。 ただ、彼女はあくまで私と同じで、私が考える恋愛観とも同じ…そう思って居た。 それに反する様に先輩の周りには何時も複数人の女生徒がまるで彼女の一番を取る様に奪い合いそれでもめてたりする姿も何度も見て居る。 最初はさぞかし鬱陶しい事なんだろな…そう思って居たけど、女学院内に当たり前の様に流れる噂…と言うか話が私の理想の村主先輩像に待ったをかけ、当然の様に流れるこの証拠も根拠もない噂は私の心をかき乱した。 そんな折も折。 私はたまたま村主先輩と2人きりになるタイミングを貰い、先輩をお茶に誘う事に成功、ここぞとばかりに話や噂の真実を聞こう…そんな風に思い、緊張した面持ちをしながら口を開いた。
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