其之四 禁断の扉

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「先輩…」 「ん…何?」 「え…っと…その…」 緊張感からか中々第一声を出せない私… そんな私の頭を先輩は優しく撫でて微笑むと、先に先輩が語り始めた。 「香山さんが気にしてるのは多分、学院中に実しやかに囁かれて居る内容でしょ?」 「はい…まぁ…」 スーッと姿勢を正し、運ばれてきた紅茶を口にする先輩…それすらも優雅で私は何だか対面席にいる事が恥ずかしくなる、私にはそんな気質がないから真似と言う事が出来ないからだ。 「もし、その話や噂が真実で…先輩がそんな訳なんてあり得ないと思いますが、本当の所はやっぱり普通の女子と変わらないですよね?」 「質問の言葉を選び過ぎよ、香山さん…会話が何だか変よ(笑)」 口元を押さえて笑う先輩、それすらも気品を感じてしまうのは私が先輩に強く憧れてる所為かも知れないけど… 「白馬の君…良く言われるわ、私はそんな男性の様に見えるのかしらね?」 「そんな事…私はないと思いますけど…でも、完璧過ぎる先輩ですからそー呼んでしまう子達の気持ちも解らなくは無いです…本当に先輩からはそのよーな高貴な感じの雰囲気感じますから…」 「私だって普通の家庭の女の子よ(笑)気品だとか何だとかなんて持ち合わせて無いし、そんな事をしたいなんて思いもしなかったわ…ただね、彼女達の様に私に憧れてくれる子達を冷たくあしらう様な事が出来ないだけ…」 「ですよね…迷惑な話です、有りもしない噂やでっち上げみたいな事…先輩に限って有り得ないです」 なんかホッとして紅茶を口にする私…でも、気の所為かなんか見られてる…きっとあまり綺麗な飲み方を出来ない私に呆れてるのかも知れないけど、私は変に着飾る様な事をしたくは無い。
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