其之四 禁断の扉

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だから、ありのままに私流を貫いている。 「……綺麗な唇ね、香山さん」 「えっ?」 慌てて紅茶を置き口元に手を当てて先輩を見る私…別に表情を変えたわけでも無いのになんで…そう思っていると先輩は続けた。 「別に変な意味ではないわ…手入れが行き届いている事に感心しただけ」 「あ、はぁ…そうですか…」 あからさまにそー言われると何だか変な感じ、ひょっとして私に興味があるの?…とか、変に勘ぐってしまう、そんな筈ないのに 「ねぇ…先輩、一つ聞いても良いですか?」 「えっ?」 「やっぱり女性から注目されると嫌じゃないんですか?先輩の周りの子は何かちょっと…普通ではない様に見えてしまって…きっと先輩困惑してるんじゃないかなーなんて思ったもので」 「困惑?」 「ええ…」 「別にしないわ…誰かに好かれるのは悪い事でもないし…それが男性であれ女性であれ」 「でも、普通はやっぱり彼氏の方が良いですよね?」 「理想論で言えばそーなるけどね、私の場合はあまりそんな概念強くないわよ、そもそも女の子しかいないんだから、その対象がどうあれ仕方ないわよ、その先は心構え次第じゃない?」 「一線を越えなければなんともない…って事でしょうか?」 「何処までで線引くのよそんな事…」 「女の子同士でキスとか、既にアウトですよ、私なら、だって普通じゃないですもの」 「香山さんは随分と固定概念が強いのね…男性じゃなきゃダメなんて誰が決めたの?」 「えっ…普通はやっぱり」 「普通って?」 「だって、男女がいて世の中が成り立ってるじゃないですか…役割も違うし」 「役割…って、香山さんは女は子供を産んで育てるのが役割?」 「男性にはできないじゃないですか」 「じゃあ、香山さんは意にそぐわなくてもその為だけに結婚とかしたいの?」 「それは…」
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