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だから、ありのままに私流を貫いている。
「……綺麗な唇ね、香山さん」
「えっ?」
慌てて紅茶を置き口元に手を当てて先輩を見る私…別に表情を変えたわけでも無いのになんで…そう思っていると先輩は続けた。
「別に変な意味ではないわ…手入れが行き届いている事に感心しただけ」
「あ、はぁ…そうですか…」
あからさまにそー言われると何だか変な感じ、ひょっとして私に興味があるの?…とか、変に勘ぐってしまう、そんな筈ないのに
「ねぇ…先輩、一つ聞いても良いですか?」
「えっ?」
「やっぱり女性から注目されると嫌じゃないんですか?先輩の周りの子は何かちょっと…普通ではない様に見えてしまって…きっと先輩困惑してるんじゃないかなーなんて思ったもので」
「困惑?」
「ええ…」
「別にしないわ…誰かに好かれるのは悪い事でもないし…それが男性であれ女性であれ」
「でも、普通はやっぱり彼氏の方が良いですよね?」
「理想論で言えばそーなるけどね、私の場合はあまりそんな概念強くないわよ、そもそも女の子しかいないんだから、その対象がどうあれ仕方ないわよ、その先は心構え次第じゃない?」
「一線を越えなければなんともない…って事でしょうか?」
「何処までで線引くのよそんな事…」
「女の子同士でキスとか、既にアウトですよ、私なら、だって普通じゃないですもの」
「香山さんは随分と固定概念が強いのね…男性じゃなきゃダメなんて誰が決めたの?」
「えっ…普通はやっぱり」
「普通って?」
「だって、男女がいて世の中が成り立ってるじゃないですか…役割も違うし」
「役割…って、香山さんは女は子供を産んで育てるのが役割?」
「男性にはできないじゃないですか」
「じゃあ、香山さんは意にそぐわなくてもその為だけに結婚とかしたいの?」
「それは…」
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