其之壱 私は、貴女を…愛しています。

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「みなっち…いきなりどーしたのよ涙なんか」 慌ててハンカチを取り出しみなっちの涙を拭ういっちゃん…その優しさがみなっちを更に涙ぐませる。 「ね、ねぇ…みなっち」 「あ、うん…何だかね、いっちゃんとの思い出が溢れてきたら涙が出ちゃって…こんなつもりは無かったのに…」 「私もよ、何か思い出…てゆーか、みなっちと過ごして来た時間の重さを感じてさ、つい景色ばかりみちゃうの…まともにみなっち見てたら泣いちゃいそうだったから」 「やっぱり何か寂しいよね…高校生活がまだ続けばこんな事思わないのに」 「それは、私も思うよ…でも、こればかりはどーしようも無い…辛くて仕方ないけど受け入れるしか無いんだよね…私達」 そもそも二人の関係は女友達の枠を超えて更に先にある、幼馴染みの様な関係は友達では語れない…それ故に性別の枠を超え一線を引く手前迄行き着いてしまうもの、お互いが空気の様に感じる夫婦と一緒で存在そのものが重要で…良く言うツーカーの間柄もその一要因としてある。 「私さ…いっつも思ってたの…いっちゃんが男の子ならこんな我慢もしなくて良かったなって」 「みなっち…それはお互い様じゃないかな…私もみなっちが男の子ならこんな苦しい思いする必要は無かった」 「いっちゃん…それ、本気?」 「みなっちこそ、本当にそう思ったの?」 お互いの意見はどうやら一緒の様らしく言ってみて二人とも顔を赤くする
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