其之弐 気付いてみれば…

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「ねぇねぇ…明穂」 「どうかしたの?雪穂」 「キスってどんな味なんだろう?」 「知らないわよ、した事ないもの!」 最近何となく、色んな事が気になりだした…お互い双子で16歳を迎えて思春期特有の疑問が増えてきた様に思える。 勿論、恋バナとかも頻繁に話し合ったりする事が増えて何となく…そう、何となくだけど興味が湧いたのだ… 「男の子ってさ~やっぱり気になるのかな…私達の身体とか色々」 「女の子だってそーじゃん!やっぱりさ異性の事は気になるし…その…キスくらいさ…経験してもバチなんて当たらないと思うけど」 「流石に自分からとか…出来ないよね?雪穂」 「当たり前じゃない…明穂、そーゆーのって男の子からリードするものでしょ?」 「でもさ…そうなったら私達もどう受けて良いのか迷わない?」 「まっ!解らないからね」 男でも女でも…最初のキス、ファーストキスは気を使うもの、どうするかとか口臭とか、兎に角あらゆる心配は尽きない… 「練習…してみない?」 「練習?」 「ほら、私達双子だし姉妹だしお遊びみたいなキスなら問題ないじゃん(笑)」 「まあ、雪穂となら別に…」 産まれた時から明穂と雪穂は何時も一緒、何をするにも何処へ行くにも…2人は同じじゃないと納得しなかった、考え方も、服の趣味も、理想の男性まで2人は大概一緒、喧嘩はしたけど、気付けば何時も仲直りしてまた仲良く遊んでいた。 双子は恋人とも、ただの姉妹とも違う独特の繋がりがある、1人が熱を出せばもう1人も体調が優れなかったり、熱が無いのにある様な錯覚さえ起す。 以心伝心…まさにそんな様な事が当たり前に起きる。
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