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ここから視認できるオウガテイルは2体。
オペレーターによると、あと1体は教会の中らしいが……
一応気をつけながら、黒髪の少年は建物の影から飛び出し、オウガテイルに向けて駆けて行った。
「─────ふっ!」
黒髪の少年は駆け抜けながら神機を振るい、文字通りオウガテイルを真っ二つにした。
その光景を見て、リンドウは1人呟く。
「おーおー、相変わらずすげぇ切れ味だな」
神機の能力は使用者との適合率によって上下するのだが、それを差し引いても、黒髪の少年の持つ神機の性能は高かった。
その神機の刀身パーツは、かつて呪刀と呼ばれた物が改良され、今では神刀と命名された物。
黒髪の少年は返す刀で向かってきたもう1体のオウガテイルも切り裂く。
………が。
「浅いか!」
神機から伝わる感触でわかったのか、黒髪の少年はそう叫び、後方へと回避したオウガテイルを追う。
と、そんな時、教会の出口から姿の見えなかったオウガテイルが現れた。
この位置取りだと、黒髪の少年は挟み撃ちを受ける形となる。
黒髪の少年は横目で教会から出てきたオウガテイルを見つつ、それでも追撃を止めようとはしない。
「エリック!」
黒髪の少年がそう叫ぶ。
すると、赤毛の少年が神機を構えた。
「わかっているさ!」
赤毛の少年────エリックと呼ばれた彼は教会から出てきたオウガテイルに向けて銃弾を放った。
銃弾────神機、ブラストから撃ち出されたバレットはオウガテイルに命中すると、小爆発をいくつか起こし、対象を沈黙させた。
爆発を背後に感じつつ、黒髪の少年はオウガテイルと距離を詰める。
神機を持って振りかぶろうとした瞬間、オウガテイルが短く上体を起こした。
黒髪の少年は攻撃を中止し、斜め前……噛みつきを行うであろうオウガテイルの真横にステップを踏んだ。
そして、そのまま隙だらけのオウガテイルを一刀の元に両断し、そのまま補食形態に移りコア────アラガミを構成するオラクル細胞の司令部分────を回収した。
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