第一部隊との邂逅

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このコアを摘出しなければ、アラガミはいくらでも再生し、復活する。 コアを摘出すれば、アラガミを構成するオラクル細胞は霧散するが、またいずれ再結合しアラガミとなる。 そのためアラガミの絶滅は不可能とされている……が、だからと言ってコアの回収を怠る事はしない。 コアは、アラガミに唯一対抗できる生体兵器……神機の生産と強化には欠かせない素材となるからだ。 黒髪の少年は残る2体のオウガテイルのコアも摘出するべく振り向くと、すでにリンドウがコアを回収している所だった。 「おう、こっちの2匹のオウガテイルのコアは回収した。 とっとと帰るぞー」 「了解です。ありがとうございます」 帰りのヘリの中で、新人2人はリンドウからさっきの作戦での評価を受けていた。 「一言で言うなら、上出来だ」 その言葉に、新人2人の顔は綻ぶ。 「2人の連携もとれてたし、エリックの援護も中々のタイミングだった。 それとお前……えーと、すまん。名前ど忘れしちまった」 黒髪の少年は上官のテキトーさに小さくため息を吐き、改めて自己紹介する。 「神世シュウです。雨宮隊長」 「おお、そうだったな。悪い悪い、最近忘れっぽくてな。 それと、俺の事はリンドウでいい」 「了解です、リンドウさん」 シュウの返事に満足したように頷くと、リンドウは評価を再開させた。 「で、シュウだが……まるで新人とは思えない良い動きだった。 これからも精進するようにな」 「はい!」 シュウの元気の良い返事にニッコリ笑うリンドウだが、その顔はすぐに真面目なものへと変貌した。 「だがな、勇敢である事と無謀は紙一重だ。 そこんとこを履き違えるなよ?」 どこかふざけているようでもあり、しかし気の抜けないような声音で忠告され、シュウとエリックはただ了解と返すのみ。 「よしっ、じゃあこれでオッサンの説教くさいのは終わりだ。 アナグラに戻るまでゆっくりしてていいぞ」
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