第1章

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目をゆっくりと閉じるリサを目の前に、 俺もゆっくりとリサに顔を近付けていく。 リサの唇にあともう少しで触れそうになったとき、 ピリリリリ!!! 俺とリサの間の甘い空気を、無機質な電子音が引き裂いた。 ふるふると睫毛を震わせて目を開けたリサは、 「鳴っちゃったね」 と呟いた。 「今日はこの後も入ってるから、延長は出来ないんだ。 ごめんね、篤くん」 少し申し訳なさそうに眉をへの字に曲げると、 チュッ 「だから、これはサービス」 くっつきそうなほど近くにあった俺の唇にキスをして、いたずらっぽく笑った。 「じゃあ、またね!」 呆然としている俺は、去っていくリサを見送るしかない。
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