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目をゆっくりと閉じるリサを目の前に、
俺もゆっくりとリサに顔を近付けていく。
リサの唇にあともう少しで触れそうになったとき、
ピリリリリ!!!
俺とリサの間の甘い空気を、無機質な電子音が引き裂いた。
ふるふると睫毛を震わせて目を開けたリサは、
「鳴っちゃったね」
と呟いた。
「今日はこの後も入ってるから、延長は出来ないんだ。
ごめんね、篤くん」
少し申し訳なさそうに眉をへの字に曲げると、
チュッ
「だから、これはサービス」
くっつきそうなほど近くにあった俺の唇にキスをして、いたずらっぽく笑った。
「じゃあ、またね!」
呆然としている俺は、去っていくリサを見送るしかない。
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