第1章

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そう、彼女は、 “俺だけの”リサじゃない。 そこが、俺の彼女の唯一の欠点。 彼女は今流行りの仮シならぬ仮女で。 “リサ”という名前も、きっと本名じゃない。 あの可愛い反応も、俺に向けてくれる笑顔も、全て嘘なのかもしれない。 それはわかってる。 それでも。 俺は、初めはネタでやってみたものの、 いつの間にか本当に愛してしまっていたから。 だから、 「あ、ミッキー! 今日はどこで落ち合うの?」 少し先で彼女が別の男に電話していると解っていても、 また彼女に連絡をよこしてしまうのだろう。 彼女が本当に“俺だけの”モノになるまで。
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