第1章

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ところがある日、早くも転機が訪れた。 当然のごとく先生からの信頼も厚い彼女は、何かと頼られることが多い。 そしてその内容が完全なる雑用だとしても、彼女は笑顔で引き受けるのだ。 それは数学の授業の後だった。 数学は4時間目だ。 だから授業が終わった時、誰もが待ちに待った昼ご飯の時間を喜んでいた。 数学科の先生の名は松本といい、見た目はこれが教師なのかと衝撃を受けるほど若い、というより幼い。 僕よりよっぽど若く見える、と考えるのは間違いではないだろう。 彼には一度我が高校の制服を着てクラスメイトの中に混ざっていただきたいと思う。 絶対に誰も違和感を抱かないだろう。
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