第1章

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まぁ彼の細かい解説はさておき、彼はチャイムがなった瞬間昼休みの幸せモードへ突入したクラスに向かってこう言ったのだった。 「誰か、今日提出してもらったワークとノート職員室まで運んでくれ。」 先生から与えられる雑用としてお約束のノート類運び。 だが食べ盛りの高校生に、しかもようやくご飯を食べられると思った瞬間に、弁当を置いて先生のために働こうなんていう聖人のような御業は行えなかった。 ただ一人、彼女を除いて、だ。 「じゃあ私行きまーす」 そう言った彼女の雰囲気は、相も変わらず柔らかいものだった。
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