27人が本棚に入れています
本棚に追加
真面目に話すと、さらにもう少し空気が湿り、重くなってしまう。
だが聞くしかない。
ジレンマだ。
今まで18年間生きてきて、そんな風に思うことはなかった。
くそったれな人生は、この先どうなるかなんてわかりやしねぇ。
「うん……まぁ、それなりだね」
今度は佑のほうが、目を逸らす番だった。
やっぱり、か。こういうところだけは完全な予定調和。
神様でもいやがったら、思い切りぶん殴ってやりてぇ。
この右の拳が、砕けるまで。
佑が、助かるまで。
「そうか……」
「余命まで、あと二週間かぁ」
俺の言葉を遮るように、佑が呟いた。
視線は既に、窓の外――ハラハラと舞い散る桜の花に、向けられていた。
カッときて、窓際まで歩み寄り、ガラガラと窓を叩きつけるように閉め切った。
そして一気に、佑と目を合わせる。
祐はバツが悪そうに、苦笑いしていた。
「佑……」
「風が冷たいね、彰人(あきと)……」
最初のコメントを投稿しよう!