イクセリオン・サーガ

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 ◆ 「こらーっ! おまえら、またいずみーをいじめてるなっ!」 「やべっ、りおんが来やがった! みんな逃げろっ!!」  それは、今からおよそ10年前の話。 「ほら、いずみーも、いつまでも泣いてないのっ!」 「ひっく、えぐっ。だ、だって、ぼくの"まりょくりょう"が少ないから……って」 「……ふーん。それで?」 「だから、"まじゅつ"もうまくつかえなくて……っ」 「ふんふん。で?」 「"まりょくりょう"はどりょくしてもふえないから、ぼくは、いっしょう"まじゅつし"のおちこぼれだって、みんなが」 「りおんぱーんち!」 「いたっ! り、りおんちゃん、いたいよっ! 何するのさ!」 「おとこのくせに、めめしいことゆうなっ!」 「え、ええっ!?」 「まりょくりょうがダメなら、ほかのなにかでつよくなればいいっ!」 「なにかって……そんなのあるの?」 「しらんっ!」 「え、えぇー……」 「だから、いずみーがそれを見つけて、だれよりもつよくなるまで、わたしがいずみーをまもってやる! そんで、いずみーがつよくなったら、わたしがピンチのとき、こんどはいずみーがたすけてくれればいい! これ、いっしょうのやくそくな!」 「う、うん……。わかったよ、りおんちゃん」 「ゆびきりげんまんっ!」 「げ……げんまん!」  ◆
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