イクセリオン・サーガ

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 その、瞬間。  はるか上空に浮かんでいた黄金の槍が、速度を無視して落下。【断絶の境界】に直撃した。 「ぐっ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」  いまだかつて経験したことがないほどの、とんでもない衝撃が俺を襲う。  究極の矛と究極の盾がぶつかり合い、お互いがお互いの保有するエネルギーを猛烈な勢いで削り取っていく。  その間、少しでも魔力の制御をミスって、槍の先端がズレれば、待つのは死――! 「がああああああああああああああああっ! こなくそおおおおおおおおおっ!」  一瞬で意識を持っていかれそうな衝撃波が吹き荒れる中、2つの固有魔法のコントロールを手放さないよう、必死に魔力の流れをたぐり寄せる。  感覚が引き伸ばされ、一瞬が永遠にも思える時間が、どれだけ続いただろうか。  その瞬間は、何の前触れもなく訪れた――――。  閃光。  白に染まる世界。
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