1-02―――日常への回帰

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とぼとぼとゆっくり減速していく絆 依然眉をひそめている 暫く見ていようか 学園までは、歩いて15分はかかるし 「…」 「ぇと―――ぇと…」 ―――三分経過 「………」 「ぅんと…あれ?ぅぅん」 ―――六分経過 「じゃなくてっ…でも―――ぇと」 「……………」 ―――十分経過 「兄さん、分かりません」 「早くギブアップしろよ!」 涙目になった絆にツッコミを入れた どうにも僕に負けるのが嫌だったらしい 降参を認めながらも、必死に解答を探しているのがよくわかる なんともまぁ、可愛らしいというかなんというか 「こらこら、いくら兄の特権とはいえ、妹苛めはよくないぞ。透少年」
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