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「あ―――おはよう、絆」
「おはようじゃないですよ兄さん」
呆れたのか疲れたのか、深い溜め息とともに肩をおとした
「せめて今日くらいは、早起きしてくれてるかと期待したんですけど」
「うん、見込み違いだったね」
「自分でいわないで下さいっ」
再び肩を怒らせ、息を荒げる絆
我が従兄妹ながら可愛らしいと思う
何故誰かと付き合わないのだろうか、と兄ながら心配をする
まぁ……付き合うとかいいはじめたら、相手にケチつけるだろうけど
もしや、百合の人?
「ほらほら、変な事を考えないでくださいっ。朝食出来てますよ?」
「うぇ、ばれてた」
「そんな遠い目で、ほえほえ~っとした顔してれば誰でもわかりますってば」
苦笑しながら、僕の部屋から出ようとドアに手をかけた
「そうそう、忘れてるかもしれませんからいいますけど、今日は―――」
「うん、入学式だよね」
言葉をさえぎって答えると、絆の眉がピクリと動いた
「知ってて寝坊していたんですか?」
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