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あ―――やば
「もう一度だけ聞きます。大事な日だとわかってて、兄さんは、こんなにのんびりしてるんですか?」
まずい、ちょっとからかいすぎたかな
絆の手が、赤くなるほど握りしめられている
世間一般でいう所の握り拳だ
情けないことに、僕は力のあるほうでも、体が強いほうでもない
故に、女の子の拳でも容易にk.o.なわけで
ようやく思考がクリアになってきた
まずいぞ、これは
「えっと……絆?」
「なんでしょう、兄さん」
「その拳を弛めよう。暴力は何も生まない」
「私の気分が少し晴れます」
「きっと痛いぞ、主に僕が」
「そうですね、私も心が痛いです。だから一回で済ませてあげますね」
うわぁい、手につかないよ
仕方ない…こうなったらあれでいくか
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