1-01―――目覚めの朝

9/9
前へ
/64ページ
次へ
「それにしたって電話の一つくらい欲しいです!いくら兄さんと二人だからって」 「まぁ信頼されているんだし、いいんじゃないかな」 「でも―――」 「それより時間。ごちそうさま、おいしかったよ」 「あ、はい。お粗末様です。片付けるんで、先に玄関で待っててください」 事の本心ははぐらかして、新しい学校へと向かう準備を勧めた まぁ……実の父が娘の安否を心配するどころか、貞操さえ兄に任せている、ということを聞いたら、きっと失神するだろうな いや…逆ギレするか? などと下らない事を考えているうちに、絆も鞄を持って玄関に着いた どうやら今の短時間で髪も整えてきたらしい さっきまでぼさぼさだったのに 素早いな、義妹よ 「お待たせしました。それじゃいきましょうか」
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加