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歩いていくと、空き教室の隣に目指していた『理科準備室』はあった。
理科室は二階にあるのにどうしてこんなところに理科準備室があるのだろうか。
ノックして扉を開ける。
「失礼します」
大きな夕日が真っ先に目に飛び込んでくる。
普通の教室の半分程度の広さの部屋には少し大きめの机がひとつと、実験用の道具や薬品、たくさんの資料が棚の中に収められていた。あまり使われていないからか埃っぽい。
辺りを見渡したが、そこには誰もいない。
「おかしいな」
一歩下がって扉の上を確認する。間違いない。ちゃんと『理科準備室』と書いてある。
そもそもどうして慶佑が理科準備室に呼ばれたのか、話は3時間前に遡る。
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