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「紅林、なんで呼んだか分かるか？」
担任の奥苑(おくぞの)先生から昼休みに呼び出され、慶佑は職員室にいた。
日直の時以外に来ることはほとんど無い場所になんだかそわそわしてしまう。
奥苑先生の担当教科は数学。そして慶佑が最も苦手な教科もまた、数学。呼び出される理由は嫌というほどあった。
先週の小テストで一問も正解がなかったことだろうか。
それとも宿題で友達の答えを丸写しにしたことか。
いや、昨日の授業中に本気で寝てしまっていたのがばれたのかもしれない。
しばらく口をもごもごとさせていると、先生は呆れたように笑った。
「わかってるみたいだな。放課後、理科準備室に来るように」
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