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慶佑は部活動をする気はなかった。入学直後のオリエンテーションで一年生は全員強制入部と聞いてはいたが、適当な部活に入って幽霊部員になるつもりでいた。実際、そうしている生徒も大勢いる。
入学して一ヶ月ほどはどこが良いか吟味していたのだが、そのうちに面倒になり結局放置してしまっていた。
「あの、先生」
頭をフル回転させる。どうにかこの場を切り抜けなければ。
「実は他の部活に入ろうと思ってたんですよね、すみません」
自然にしようと思うほどに顔がこわばってしまうのがわかる。
目の前に座る先生は依然としてにこやかな顔を崩さない。なんだか全て見透かされているような気がして思わず目が泳いだ。
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