1人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「まあ生物部って言っても名ばかりで活動なんてないようなものだよ」
慶佑の発言など無かったかのように先生は話し出した。
「新しく作る部活だし、この教室が部室になること以外決まってないから」
「新しく作る?」
「そう、顧問さえいれば部活作れちゃうんだよねー。よっぽどふざけた活動じゃない限り」
「はあ」
「紅林、他の教科に比べて数学だけ成績悪いだろ」
ここでその話を出すか。
「この調子だと赤点、夏休みは補習と追試で潰れ、新学期が始まると同時にまたテスト、赤点、補習・・・・・・ああ負の連鎖だ恐ろしい」
やけに芝居がかった口調で先生はまくし立ててくる。
「ここでだったら放課後、勉強見てやれるんだけどなー。勉強じゃなくても、自由にこの部屋使っていいし、さっきも言ったけど部活動らしいことは特にやる気ないし」
どうやらこちらの事情はすでに把握されているらしい。慶佑にとって都合の良すぎる提案が逆に怖い。
最初のコメントを投稿しよう!