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そんなことを考えていたら「でも……」と後輩が訳有り顔を作った。
「完璧とは言いましたけど、やっぱり彼女にも欠点というか、問題点はあるんですよね」
とりあえず「へぇ」と相槌をうつものの、それを尋ねていいものか迷ってしまう。良いところは人に言いたいだろうが、ダメな部分は言いにくいはずだ。と思っていたら修一のほうから話し出した。
「実は最近、彼女は僕の幼馴染だと知ったんです」
「なに?」と思わず声が漏れた。
「それが欠点か?」
彼は平然とした顔で「ええ」と肯いた。
「お隣同士だったんです。高校を卒業するまではよく遊んでいました」
「ちょっと待てよ。それのどこが問題だ?逆にうらやましいぞ。幼馴染と恋人同士になるなんて、タッチみたいじゃないか」
お前の彼女は南ちゃんには程遠いけど、と思ったことは口に出さない。
「そうですか?」
「そりゃそうだろう」
「でも、幼馴染は男だったんですよ」
その瞬間、先ほどの写真が脳裏に甦る。美人云々よりも、違和感の正体はこれだったのだ。
すると修一は意味ありげに笑ってから口を開いた。
「あいつ、僕のことはなんでもよく知っているんですよね……」
なるほど。だから完璧な彼女になりえたのか。
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