第1章

2/2
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
古ぼけた印刷物、水面に波紋を残して、今日が、その姿を知らせる、その湖、剥がれた樹皮に、溢れるばかりの秘密、誰の秘密なのか、そういう、焦げたような、紙風船と紫の気流、売店に売られてた彼女の、誰か知らない彼女、少年だったかもしれないけれど、永遠の日記、メモ、身体の隅々まで、その曲線の素晴らしい速度。 夜の帳に錨を下ろす、それが沈黙なら、さぞかし愉快だろうと、親しげに、蔑ろにはしない、公園の真ん中で、数式が回転し、披露宴の律儀な我々とは、些か立場の違う、そんな経験に呼吸を合わせ、捻る、飽きるまで、とても沈黙が、それらしい構成をもって、最後の舞台となる、心待ちにした、中途半端な美しさの、その端の端、中心の中心、誰かの記憶に置き去りのまま、私の記憶、風船。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!