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先輩は巷で話題のカジュアルフレンチに行ったことを羨ましがり、雑誌に載る人気の和食店に行く予定をも羨ましがった。
「めちゃめちゃスマートじゃない! ほんっと、ムカつくわー! なんかアラは無いわけ?!」
プリプリしている先輩に苦笑いしつつ、「あ、そういえば……」と私は一つ思い出した。
「彼、私が『善』に行きたいって言った時、一瞬困った顔をしたんですよね」
「……ほう?」
先輩の目が、キュピーンと光った。
「それは、女ね」
「……女……ですか」
いきなり先輩は無理矢理な推理を展開した。
「きっと、そこの美人女将(予想)とただならぬ関係にあった過去があるわね(多分)」
……推理というか、希望というか。
ゴシップを求める先輩の顔は生き生きとしていて。
先輩のポンコツ推理の正解不正解はともかく、蓮見さんが何か変だったのは確かなので、なんだか私も真相を知るのが楽しみになってきてしまった。
……ああ、全然彼女としての自覚が足りないなぁ。
ごめんなさい、蓮見さん。
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