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今日だけ。
閑静な住宅街、建ち並ぶ家々の門の端には道を照らすには少なすぎる光が灯され
煌々と光が漏れる家の中からは賑やかしく笑い声が溢れている…
「…煩いな……」
玄関を開けて飛び込んで行く友人に別れを告げ、
喧しく閉まる扉に向かってつい、溢した。
そして、頭をひと掻きした後…ふらりと歩き出し、すぐ隣に家の玄関の前で止まり、ポケットから鍵を取り出しては、伏せていた視線を1度 隣の家に向ける。
「…ただ…」
言いかけて、止めた。
ふぅ…と、ため息を吐き出す背中に静かに閉まる扉の音が暗い廊下に吸い込まれては消えた。
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