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しっかりと捕まえられた腕をそっと引き抜くようにして万智は体を起こし ベッドの縁に足を下ろす。
「………」
昨日、結局長い時間並んで雑誌を読んで。
終いには店員に注意を受けてコンビニから出た…
それから、彼が俺に袋の中のビールを勧めて…
「…あ、おはよ…」
もぞもぞと蠢いた温もりがベッドの中からまた抜け出しては万智の腰に手を伸ばした。
「万智、お腹空いてない?」
いつから名前で呼ばせているのか
そんな事すら覚えて居ない…
「…大丈夫。」
ベッドの前に置かれたテーブルの上には万智のシルバーのライターが鎮座している。
「…万智…今日は何処か行くの?」
腰を温めていた腕が万智の背中をよじ登り、
覆いかぶさるように背中全体を温めた…
「……別に…」
辛うじて下着は着けていた。
でも、この密着感からするときっとそうなんだろう…。
別に慌てるでもなく状況を判断し、
とりあえず目の前のタバコに火を点けた。
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