4人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてある日、いつもの帰り道。
彼女の窓辺にいつもの姿はなく、代わりに青く輝く彼女と男が宙に浮いていた。
「彼がこの地球に架ける橋を造ったのよ」
男に寄り添う花嫁衣装の彼女が、嬉しそうに笑った。それは今まで見たなかで、一番美しく倖せそうな笑顔だった。
そうして、空に架かる虹のウェディングロードを渡って、彼女は男と共に消えていった。
僕は窓辺のある部屋に行くと、そこに美しい彼女はいなかった。
それでも僕は悲しくない。消える間際の彼女の笑顔が美しかったからだ。その美しい笑顔を、もう一度見たいと願った。
そして僕にも、空に浮かぶ青く輝く地球が見えるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!