第5章  胸に抱えるもの(続き)

10/13
前へ
/38ページ
次へ
思考回路は、完全に停止していた。 ただ悶々とする気持ちを抱え、それに振り回されるように 胸だけが締め付けられる。 もう寝よう。 今がいったい何時なのか、そんな事すらどうでもよく、 忍は、体を引きずるように寝室へと向かった。 どこもかしこもが暗く、 ただカーテンの開け放たれた窓からの淡い月明かりだけが、 わずかに部屋を照らし出す。 忍は、そんな辛うじて光を差し込ませる窓へとゆっくり歩み寄った。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加