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この日の午後には、エイオースで例の香水の外箱デザインの打ち合わせが
待っている。
デザインそのものは週末前に仕上げていたので、問題はない。
だが、やはり彼女を前にするのは気が重い。
忍は、窓の外に投げている沈んだ眼差しそのままに、
我知らず、零れ出るため息を声にしていた。
「朝比奈さん、もしかして体調、悪いんじゃありませんか?」
えっ?
思いもよらない言葉を秘書から投げかけられ、
忍は、ぼんやり彼女を振り返った。
「だって、今朝からなんとなくだるそうだし、
溜息だって、ずっとつきっぱなしですよ」
このところ、仕事が混み過ぎているから。
現実の問題でもあることを口にして、どこか心配そうに小さく眉根を寄せる。
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