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結局、忍は、食べる気にもなれない昼食を抜いたまま
午後の打ち合わせに、エイオースのオフィスへと向かった。
しかし、いざ打ち合わせに入ると同時に、
ありがたくも仕事は、彼をプロの顔に戻させた。
商品のキャッチコピー。
CMの絵コンテに、それに付随するナレーション。
そんなものを耳や目にしながら
忍は、準備したデザイン画を議論のデスクに広げていく。
外は、どうやら本格的に嵐が近づいて来ているらしい。
はめ殺しの窓ガラスに雨粒の音が重たくなり、
時折、細く風が唸る音も聞こえてくる。
しかし、波に乗るように熱の籠ったこの会議室では、
それもBGMにすらなっていなかった。
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