第6章  埋まらない距離

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へっ? にわかに、彼女と忍の声が重なった。 だがそれに構わず、いつもの飄々とした様子にもどった立花は、 「だってお隣さんだろ?」 えっ……? あまりにも突然、あっさり続けられた立花の言葉に、 再び忍と彼女の声が重なる。 それと同時に、忍の頭を、複雑な事が素早く駆け巡った。 確かに、旧友である彼には、引っ越しのことも新住所も知らせた。 だがまだ、その隣が彼女の住まいだとは知らないはず。 ましてや彼の本当の引っ越しの理由など、知るはずもない。 だが、まさか――。 にわかに、血の気が引きかけた。
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