第6章  埋まらない距離

12/25
前へ
/38ページ
次へ
「それにしても、お隣さんだったとは驚いたな」 白々しい。 そう思いながらも、この場では当然な事を口にする。 「ほ、本当に。なんていうか、偶然ですね」 忍の視野の中で、彼女の口元が微かにゆがんだ。 だが、どうにも忍の頭には、これ以上の世間話が浮かんでこない。 そして、仕事の延長と言い聞かせたせいか、 自分でも思わず唇を噛みたくなるような事を口にしていた。 「ところで、どう? 例の宿題は掴めそう?」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加