第6章  埋まらない距離

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「えっ? あぁ……」 俯いた彼女を視界の端に入れ、忍は、思わず自分に舌打ちをしたくなる。 だが、 「実は、その、ちょっと難しいっていうか。 お恥ずかしい話ですが、私、そういうシチュエーションとは あまり縁がなくて……」 意外なことに、彼女を包んでいた緊張のオーラがフッと和らぎ、 恥ずかしそうに小さく俯く。 そんな様子に、忍は、週末に目にした事を確かめずにはいられなかった。 「彼氏とは?」 えっ? 一瞬、彼女が驚いたように目を見開いて、こちらに向いた。 それに、更なる追求の欲が大きくうずく。 結果、 「そういう感じにはならない?」 どこかで「馬鹿なヤツ」となじる自分を押しのけるように 忍は聞いていた。
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