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~ * ~
まるで、日本列島の南岸を嘗めるように上がってきた台風が、
いま、丁度、まん中あたりを通過しようとしていた。
「来たわねぇ」
衛星画像の映し出されるテレビ画面を見ながら、那々が唸るように呟く。
「今後台風は、やや速度を速めながら、
今夜には、関東地方に再び上陸する見込みとなっています」
真面目が服を着ているかのような気象予報士の言葉に、
那々は、「うぅーん」と唸りながら窓辺へと歩み寄った。
しかし、申し訳程度に広がる階下部屋前の小さな庭木も、
まだ、そんなに激しく揺れている様子はない。
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