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そもそも、やっと恋い焦がれた恋人を見つけたと思った矢先に、
偶然と流れだったとはいえ、謙悟と同居する羽目になってしまった。
その上、彼女に関する事では、
どうやら考えていたよりも遥かに自制が利かず、
心が揺さぶられてしまうようだ。
現に、彼女の想い人の存在に、ここまであからさまに動揺した自分がいる。
こんな状態で、本当にあの勘の鋭い二人の旧友たちの目を
誤魔化し続けられるものだろうか。
悶々と考えながらマンションに戻り、
リビングのテーブルにコーヒーの入った袋を放りだすと、
忍は、乱暴にソファに座って大きくため息をついた。
いや、一番の問題は、本当に自分は彼女を振り向かせることができるかだ。
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