第5章  胸に抱えるもの(続き)

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正直なところ、今までは 彼女が自分と再会さえすれば、たとえ彼女が別の誰かを想っていたとしても 必ず自分に振り向くと、どこかで自負していた。 だがそれは、単なる根拠のない思い込みに過ぎなかったと思い知らされた。 そして今更ながらに、あの日、故郷の星で長老に言われた言葉が 思い出される。 今、彼女はこの星のセリーシャではなく、違う人物だといっても 過言ではないのだぞ。 そして、忍の脳裏に、 隠し切れない嬉しさを浮かべ、幸せそうにあの男に向かって微笑む 彼女の横顔が、はっきりと蘇ってくる。
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