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「すみませーん、道混んじゃってて」
通された個室
ずらっと並んだ料理と
そして、女が五人。少し長いテーブルに一列に並んで座っている。
(すげぇ可愛いだろっ! 秘書さんだ! ひ・しょ!)
大俵さんが耳打ちでそんなことを口走ってから、また、ニカーっと笑っている。
「合コンだぜっ! 木砂!」
忘れてた。
この人、酒大好き、宴会大好き、そんでもって、ものすっごい女好きなんだった。
「っつ、つか! これ! コンパじゃないっすか!」
「んあ? コンパ忘年会だ。そのほうがいいだろ?」
よくねぇよ。
全然、全っ然、よくねぇ。
同じ店に玄がいるんだぞ。
そんなん大俵さんが知っていたわけじゃねぇし、言えるわけねぇけど。
あいつがここに乱入することはないだろうけど、でも、これ、バレたら……か、考えるだけでもゾッとするんだけど。
い、生きた心地がしねぇ。
酔えるわけがねぇ。
「こんばんはーっ!」
女五人、しかも、けっこう可愛い。
秘書って言ってたか?
大俵さんの知り合いにしてはけっこう上品じゃねぇ?
ザ、ガテンって感じだから、もっとこう派手な感じの……。
「あ?」
俺の前の席に座っていた女、歳は同じくらい。
他の四人に比べてもダントツ可愛くて、人形みたいで、グラビアアイドルにいそうな感じの女。どっかで見たことがあるような、ないような。
「あっ!」
「あ! あれ? もしかして」
嘘……だろ。
俺が思わず声を上げたら、そいつもピピッと通信で察知したみたいに俺のことを思い出した。
「あっあんた!」
「戸津田君の」
信じられねぇ偶然、合コンの席に、玄の元カノがいた。
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